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光選択的前立腺レーザー蒸散(PVP)手術

当院の実績

PVP
2023年末までに313件の手術を行っています。
 
個人差はありますが、多くの方が4泊5日で退院されています。(2023年)

光選択的前立腺レーザー蒸散(PVP)

2014年7月より前立腺肥大症に対する治療装置「グリーンライトレーザー」を導入しました。この特殊なレーザーを 用いたPVP(Photoselective Vaporization of the Prostate)手術は世界中で多くの治療実績があり、安全性と有効性が確立された前立腺肥大症の最新治療方法です。
従来は電気メスを使用して前立腺組織を切除するTUR-P(経尿道的前立腺切除術)という治療方法を行ってきましたが PVPはTUR-Pより出血が少ない・回復が早い・入院期間が短いなど、患者さんの負担を軽減できる手術です。
経尿道的レーザー前立腺切除術(PVP手術)

どのような手術ですか?

PVP手術は、経尿道的に尿道を塞いでいる前立腺組織を高出力レーザーを照射して蒸散させる手術です。下腹部や創部を切開することなく、モニタで確認しながら行われるため、極めて低侵襲な手術です。
PVP手術前
手術前
PVPレーザー照射後
レーザー照射後
PVP手術三ヶ月後
手術3ヵ月後

PVP手術のメリットはなんですか?

手術後早期から治療効果が出現する
回復が早く、比較的早期に通常の生活に戻れる
出血が少ない
手術後の尿道カテーテルの留置期間が短い
入院期間が短い

グリーンライトレーザーとはなんですか?

532nmの波長で赤い組織に反応し、水には反応しない緑色の高出力レーザーです。
前立腺組織は血流が豊富なため、照射された組織は熱エネルギーに変換され組織温度が急上昇します。
すると蛋白質が変性し、凝固層を作成しながら蒸散します。出血はほとんどありません。

入院期間は何日ですか?

4日~5日程度ですが、個人差があります。

手術時間は何時間ですか?

1~2時間程度ですが、個人差があります。

治療効果はいつから現れますか?

術後の状態にもよりますが、通常は術後24時間以内に症状の緩和・尿の流れの改善を実感することが出来ます。

痛みはありますか?

通常は、腰椎麻酔(部分麻酔)下で行います。
麻酔科医が状態に応じて対応しているので、安心して治療を受けていただけます。

手術費用は高くないですか?

保険診療が可能なため、通常の手術と同様の金額で手術を受けられます。

前立腺肥大症とはどういった病気ですか?

前立腺肥大症(BPH:Benig Prostatic Hyperplasia)とは高齢の男性に好発する病気で、膀胱の下部にある前立腺が肥大化する病気です。
前立腺は、膀胱から尿が流れる管である尿道を取り囲むように在り、肥大することで尿道を圧迫し残尿感や頻尿の症状を呈します。病態が進行すると尿が出なくなる場合もあります。 前立腺は加齢とともに大きくなり、50~60歳代では50%、80歳代では90%で肥大するといわれています。
加えて、前立腺内の筋肉が過剰に収縮することで尿道を圧迫し閉塞させてしまうこともあります。 また、前立腺自体があまり肥大していなくても深刻な症状を呈している場合は前立腺肥大症と診断することがあります。
前立腺

前立腺肥大症の症状は?

残尿感
頻尿
夜間頻尿
尿意切迫感(尿意が我慢し辛く感じること)
尿線途絶(排尿途中に尿が途切れること)
尿勢低下(尿の勢いが弱いこと)
尿閉(尿が出なくなること)

前立腺肥大症はどのような治療をしますか?

薬物療法が基本となります。
α1受容体拮抗薬というお薬が第一選択となり、過剰に収縮する前立腺を弛緩させて尿道の圧迫や閉塞を軽減させます。
5α還元酵素阻害薬というお薬は、前立腺そのものの大きさを縮小させますが、即効性に乏しいとされています。
重症例や難治例では外科的治療が必要になります。

前立腺がんの患者でも治療は可能ですか?

PVP手術は、前立腺がんの治療には適応しておりません。採血でPSA値が高いなど、前立腺がんの疑いがある方は予め精密検査で前立腺がんではないことを確認する必要があります。
 
【PSA値】
前立腺液に含まれる糖蛋白質で、前立腺腫瘍マーカーとして用いられます。PSAは、前立腺で産生され腺腔と呼ばれる前立腺内へ放出されます。通常は、血中に漏れ出すPSAはわずかですが、前立腺がんなどにより前立腺や血管の細胞が破壊されるとPSAが漏れ出し血中濃度が高くなります。前立腺肥大症でもPSA値が高くなることがあります。

 

入院スケジュール

 入院前
 外来診療の際に、手術の説明や同意書の説明・確認をおこないます。
現在飲んでいるお薬で入院中に中止するものの確認をおこないます。
 入院、術前オリエンテーションをおこないます。(病棟案内、入院生活について、病気について、内服中の薬の確認)(手術前後の予定や入院準備について)
 手術前
入院の際には、内服薬を全て持参してください。
手術室看護師が訪問して、麻酔の説明をおこないます。
入院後、手術前に尿検査をおこないます。
手術開始の8時間前から絶食です。
手術開始の3時間前から絶飲です。
術衣に着替え、入れ歯、金属類をはずします。
 手術後
手術室で点滴をおこないます。
尿道から膀胱にカテーテルを入れています。また、酸素吸入をおこないます。
帰室後4時間はベッドで安静にしてください。
 入浴はできません。
問題がなければ帰室後1時間後から飲水、2時間後から食事が可能です。
 術後1日目
夕方までには点滴が終了します。点滴抜去後、発熱がなければシャワー浴ができます。
安静の制限はなく、食事も通常通りしていただけます。
 術後2日目
膀胱に入れていたカテーテルを抜きます。
 入浴していただけます。
 尿もれ予防・改善のため骨盤底筋を鍛える運動について説明します。
 術後3日目
 個人差はありますが、術後3日目には退院していただけます。
排尿後の残尿を確認するため、腹部エコーをおこないます。
服薬説明など退院オリエンテーションをおこないます。

手術後に血尿が出ることがありますが、症状の程度によって対応させていただきます。
痛みや尿意がある時には我慢せず、看護師までお知らせください。
医療法人尽心会 亀井病院
〒770-8070
徳島県徳島市八万町寺山231
TEL.088-668-1177
FAX.088-668-1122
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