経尿道的尿路結石除去術(f-TUL)
当院の実績
2023年末までに1,655件の手術を行っています。
個人差はありますが、多くの方が4泊5日で退院されています。(2023年)
より安心で確実な尿路結石治療法を目指して
当院では2012年より、尿路結石に対して軟性尿管鏡を用いた経尿道的尿路結石除去術(f-TUL:flexible transurethral lithotomy)を導入しました。
低侵襲性に優れた最新機器の導入
2017年1月に最新の尿路結石治療レーザー(Quanta Litho)を導入しました。
Quanta Lithoレーザーは従来から行われている尿路結石レーザー治療装置よりも砕石能力をアップし、さらにダスティング(粉状砕石)機能も強力になりました。
ダスティングとは何ですか?
ダスティングとは、結石を粉状にする砕石方法です。
ダスティングによる f-TULのメリットは?
内視鏡で直接確認しながら、レーザーで結石を破砕・摘出でき根治を目指すことができます。
またダスティングの大きな特徴としては、結石が跳ねないこと、出血が少ないので視野が良好なことが挙げられます。
TULは手術時間が長くなると敗血症の合併率が上がるため、1時間以上に及ぶ場合は複数回に分けるなど、安全第一の手術を心がけていますが、視野が不良な場合や結石が跳ねてスムーズに砕石できない場合は手術効率が悪くなり、その結果として手術回数が多くなる可能性が高くなっていました。
ですが、ダスティングを行うことによって一人当たりの手術の平均実施回数が減り、患者さんの身体的・時間的・経済的負担の軽減につながりました。
f-TULって、どんな手術?
f-TULは、軟性(もしくは硬性)尿管鏡を尿管や腎まで挿入し、直接結石を確認しながら、レーザーを用いて破砕します。破砕された結石はバスケットカテーテル(結石をつかむ器具)で回収するため、安全かつ確実に破砕から摘出が可能です。
しかし、両側の尿路結石や大きな結石など1回で破砕・摘出できない場合、尿管狭窄で内視鏡が挿入できない場合などもあります。
患者様の状態や希望に合わせた治療法を選択しています。
しかし、両側の尿路結石や大きな結石など1回で破砕・摘出できない場合、尿管狭窄で内視鏡が挿入できない場合などもあります。
患者様の状態や希望に合わせた治療法を選択しています。
結石(嵌頓・停滞・癒着など)の影響や尿管内でレーザー照射や器具操作等による尿管浮腫が起こるため、術後に尿がスムーズに流れるように一定期間は尿管ステントと呼ばれる細い管を留置します。
手術の流れ(腎結石の場合)
手術時間はどれくらいかかりますか?
麻酔を含めて2時間程度です。
痛みはありますか?
通常は、腰椎麻酔下で行います。
麻酔科医が状態に応じて対応しており、安心して治療を受けていただけます。
麻酔科医が状態に応じて対応しており、安心して治療を受けていただけます。
入院期間はどれくらいでしょうか?
5日程度ですが、個人差があります。
尿管の管はいつくらいにとれるのでしょうか?
ステント留置期間は、術後の状態にもよりますが、約2週間程度です。
退院後に外来で内視鏡を用いて抜去します。
退院後に外来で内視鏡を用いて抜去します。
ESWLとどのように違うのですか?
体外衝撃波砕石術(ESWL)は、文字通り体外から衝撃波を照射して結石を破砕する手術方法です。
X線透視下で結石の位置を確認し、照準を合わせ、体外から衝撃波を照射することで結石を破砕することが可能で、腰椎麻酔下で痛みが少なく、体への負担が少ない優れたメリットもありますが、破砕された結石が排出される時に痛みを生じたり、結石の位置や硬さにより破砕されないことや完全に破砕されないというデメリットがあります。
結石の硬さでCT値1000以上は、ESWLで破砕されないため、f-TULをお勧めしています。
X線透視下で結石の位置を確認し、照準を合わせ、体外から衝撃波を照射することで結石を破砕することが可能で、腰椎麻酔下で痛みが少なく、体への負担が少ない優れたメリットもありますが、破砕された結石が排出される時に痛みを生じたり、結石の位置や硬さにより破砕されないことや完全に破砕されないというデメリットがあります。
結石の硬さでCT値1000以上は、ESWLで破砕されないため、f-TULをお勧めしています。
(当院でのESWL治療は2020年3月末をもって終了いたしました)
入院スケジュール
入院前
外来診療の際に、手術の説明や同意書の説明・確認をおこないます。
現在飲んでいるお薬で入院中に中止するものの確認をおこないます。
入院、術前オリエンテーションをおこないます。(病棟案内、入院生活について、病気について、内服中の薬の確認)(手術前後の予定や入院準備について)
手術前
入院の際には、内服薬を全て持参してください。
手術室看護師が訪問して、麻酔の説明をおこないます。
入院後、手術前に尿検査をおこないます。
手術開始の8時間前から絶食です。
手術開始の3時間前から絶飲です。
術衣に着替え、入れ歯、金属類をはずします。
手術後
手術室で点滴をおこないます。
尿道から膀胱にカテーテルを入れています。また、酸素吸入をおこないます。
帰室後4時間はベッドで安静にしてください。
入浴はできません。
問題がなければ帰室後1時間後から飲水、2時間後から食事が可能です。
術後1日目
夕方までには点滴が終了します。点滴抜去後、発熱がなければシャワー浴ができます。
安静の制限はなく、食事も通常通りしていただけます。
術後2日目
膀胱に入れていたカテーテルを抜きます。
入浴していただけます。
術後3日目
個人差はありますが、術後3日目には退院していただけます。
服薬説明など退院オリエンテーションをおこないます。
手術後に血尿が出ることがありますが、症状の程度によって対応させていただきます。
痛みや尿意がある時には我慢せず、看護師までお知らせください。