胸水・腹水ろ過濃縮再静注法(CART)
CARTとは?
CART(Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy)とは、腹水(胸水)ろ過濃縮再静注法のことで、肝硬変やがんなどによって貯まった腹水(又は胸水)をろ過濃縮して、アルブミンなどの有効なタンパク成分を回収する治療法です。
腹水ってなに?
腹水とは腹腔へ過剰に水が貯まる症状です。
私たちの内臓は腹膜という膜で包まれています。この腹膜と内臓のすきまが腹腔です。
腹腔には通常20~50mlの水が入っていますが、さまざまな病気の影響で通常よりたくさんの水が貯まってしまうことがあり、これを腹水といいます。
CARTの方法は?
① 腹水をためる
患者さんのお腹に針を刺し、腹水を貯留バックにとり出します。
急激に腹水を抜くと体に悪影響を与えるので、1時間に1~2ℓ以内の速度でとり出します。
② ろ過濃縮する
貯留バックにためた腹水をフィルターにかけて、ろ過濃縮します。
③ 腹水をもどす
ろ過濃縮された腹水を点滴により、50ml/hのゆっくりとした速度で患者さんの体へと戻します。
CARTの効果は?
◆ お腹の圧迫感、苦痛の軽減
◆ 循環血しょう量の増加
◆ 血しょう浸透圧の上昇
などが期待されます。