経尿道的水蒸気治療(WAVE)
※ 経尿道的前立腺切除術(TUR-P)や光選択的前立腺レーザー蒸散術(PVP)、ホルミウムレーザー前立腺核出術(Holep)など従来の手術が困難な方が対象です。
経尿道的水蒸気治療 (WAVE)とは？
経尿道的水蒸気治療(WAVE)とは、水蒸気を用いた前立腺肥大症に対する治療法です。(2022年9月より保険適応)
水蒸気を使用するため、体に負担が少ない低侵襲な手術で、異物を体内に残さずに治療することが可能です。
どのような治療？
尿道から内視鏡を挿入し、103℃の水蒸気を9秒間噴霧します。
前立腺組織を約70℃まで上昇させ組織を壊死させます。(壊死した組織は体に自然吸収されます)
① 術前、前立腺の組織が肥大して尿道を圧迫
② 尿道から内視鏡を挿入
③ 肥大組織に水蒸気を噴霧
④ 水蒸気の対流を利用するためムラなく治療できる
⑤ 肥大組織のみを壊死させる
⑥ 数か月かけて組織を体内に自然吸収させる
WAVE手術のメリットは何ですか？
尿道から内視鏡を挿入して水蒸気を噴霧するだけの手術なので、体に負担が少ない低侵襲な手術です。
手術時間は約15分と短く、術後2週間後から徐々に効果が認められ、長くても約3ヶ月後には排尿状態の改善が期待できます。
既存の前立腺肥大症に対する温熱療法とくらべ、水蒸気を利用しているため、対流によってムラのない治療効果が実現され、尿道粘膜や性機能温存が可能となりました。
WAVE手術のデメリットは何ですか？
尿道カテーテル留置期間が従来の手術よりも長い場合があります。(留置期間には個人差があります)
また、尿閉で術前から尿道カテーテルを留置している方は、カテーテル抜去が困難な可能性があります。
どのような人に適していますか？
とても低侵襲な(体に負担の少ない)手術なので、下記のような症状の方に適しています。
● 合併症リスクの高い方
● 高齢もしくは術後せん妄リスクの高い方
● 身体機能低下リスクの高い方
● 薬物療法であまり効果が出ない方
● 前立腺重量が30g～80gの方
